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三国志、読了

北方三国志を読み終えた。

5月から読み始めて全13巻を4ヶ月かかった。途中の感想文でも書いたけど、北方三国志は今まで読んだ吉川英治や柴田錬三郎と大きく違う。今、別巻となる「三国志読本」を読んでいるが、作者によると元としたのは「三国志正史」とのこと。ほとんどの三国志が「演義」を元にしているので、どうりで違うはずだ。正史は小説というより事実の羅列に近く、「桃園の誓い」などは出てこない。北方が他の作者の作品にとらわれず、独自の世界観を出したかったという意図が分かった。

これも「三国志読本」を読んで分かったのだが、北方の登場人物に対する想いは大体想像したとおり。曹操が一番好きで、劉備・張飛・呂布・周喩あたりがお気に入りで自分の解釈を随分入れている。関羽に対してはあまりにも世間にイメージがありすぎて、手を出せなかったとのこと。嫌っている訳じゃなかったんだと納得した。対談の中で自らの学生運動を引き合いに出し、孫権を「スターリニスト」、周喩を「トロツキニスト」比喩していたのが面白かった。ちなみに劉備は日本の天皇制史観の表現として書いたとのこと。

結局この北方三国志は「歴史ハードボイルド小説」であり、自作の水滸伝でもテーマとなる「男の滅びの美学」を書いたものだった。その意味では大変面白く読めたのだが、青年期に吉川英治や柴田錬三郎を読んでいた僕にとっては「三国志」として物足りない部分が多々あった。少し時間をおいてあちらを読んでみようと思う。北方三国志の再読はないかも。。

| comments(0) | 読書感想文 | by yabusho
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