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「ヒポクラテスたち」

1980年度キネマ旬報第3位。監督:大森一樹 出演:古尾谷雅人、伊藤蘭、内藤剛

ATGがもっともそれらしかった時代の作品。公開が1980年で、ちょうど僕が大学に入った年だ。舞台も同じ京都と言うことで、何もかもが懐かしかった。出てくる車の形状やファッション、町並みを見るともっと古い時代かと思ったけど、まさに僕が居た頃の京都だったのだ。

監督の大森一樹はこれがメジャーデビュー作。同期の映画マニアが大層興奮していたのを覚えている。確か、彼がもぎりのバイトをしていた映画館で、ただで見せてもらったような記憶がある。大森はその後、ゴジラシリーズを撮ることになるのだが、この時はそんなこと思いもよらなかった。

この作品にはその後名バイプレーヤーとなった役者達がたくさん出ている。内藤剛、小倉一郎、斉藤洋介、柄本明、阿藤海。また、鈴木清順や手塚治虫、北山修といったメンバーがカメオ出演しているのも面白い。大森一樹も意外な形で顔を見せている。そう言う意味でもマニアックな作品で、楽しめる。

ストーリーは卒業を控えた医学生達の日常のエピソードを淡々と描いていくもの。医学部の実習風景や手術の様子など、日頃は見ることができない世界も面白い。後年自殺した古尾谷雅人の「それらしい」狂気が見えたりして、最初とはまた違う印象だった。

映画の中にも出てきた立て看板など、1980年と言えば学生運動の残り火がまだくすぶっていた時代。ほとんどがノンポリだったけど、それなりにみんな現実と理想の狭間で悩んでいたと思う。僕はリアルにあの時代を体験した世代として共感できたけど、今の若い人には絶対分からないだろうなぁ。。。★★★★☆

| comments(0) | 映画レビュー | by yabusho
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