ドイツ出張の最終日はフライト時間が20時半と遅かったので、サッカー観戦に出かけた。ちょうど稲本が所属する地元のフランクフルトと小野がいるボーフムとのカードがあった。日本からインターネットで予約し、チケットを送ってもらえるとのこと。まったく、便利になったもんだ。
フランクフルトがホームとしているスタジアムは空港から一駅のところにある。まず、空港までタクシーで移動し、荷物を預けて電車で向かうことにした。ところが、空港までの道路が大渋滞。みんなスタジアムに行くらしい。渋滞で並んだ隣の車の中でフランクフルトのマフラーをしている女の子と目が合った。こっちも同じマフラーをしたので思わずにっこり。にわかサポーターの誕生だ。
思いがけず時間がかかって空港に到着し、電車でスタジアムに向かう。駅からスタジアムまではかなりの距離があって徒歩約10分。回りはみんなフランクフルトのサポーターばかりだ。道ばたの出店でビールを買って気勢を上げている。スタジアムに近づくと大歓声が聞こえてきた。キックオフ15分前。選手がピッチに出てきてアップしているのか。慌ててスタンドに上がり席に着く。スタンドとピッチが近い、サッカー専用スタジアムだ。急勾配ですり鉢状になったスタンドは、フランクフルトサポーターでほぼ満席。ボーフムサポーターは隅っこで警備員に囲まれるように座っていた。
選手紹介が始まっていた。背番号順に正面スタンドのディスプレイに映し出されていく。名前をアナウンサーがコールすると、名字を観客全員で叫ぶ。さすが、ホームだ。20番の稲本が映った時は「ジュンイチ、イナモート!」と僕らも大声で叫んだ。
さて、試合が始まったが、はっきり言ってあまり良い試合とは思えなかった。とくにフランクフルトにゴールへの意識がほとんど見えなかった。序盤から足が止まっていてボールが出せず、最終ラインで回す時間が多い。ボーフムの方がサイドアタックで切り込んでいくパターンが効いて、しばしばゴール前に攻め込んでいた。稲本はほとんど攻撃参加せず守備一辺倒。膠着状態で前半が終了した。
後半早々、フランクフルトがゴール前のこぼれ球をうまく浮かしてキーパーの頭越しに先制ゴール。その瞬間、スタジアム全体がすさまじい歓声に揺れた。全員立ち上がって雄叫びを上げる。ゴールした選手の名前を呼び、称える。ホームチームならではの瞬間だ。しかし、その15分後、早いリスタートから一瞬の隙を突かれて同点に追いつかれた。スタジアムにため息が流れる。終盤になるとラフプレイが増え、イエローカードが続出。荒れた試合になってきた。
結局、1−1で引き分けたが、僕らは帰りの電車を考えて終了5分前にスタジアムを出た。ところで、稲本にばかり気を取られていたが、小野も最初から先発で出ていたみたい。後半になって気がついた。トップ下でがんばっていたらしいが、まったく気がつかなかった。あらためて見ると、回りの選手に比べて明らかに小さい。この体格差はけっこう厳しいんじゃないかな。
本場ドイツのサッカーを観られたことは幸運だった。やっぱりサッカーは良い。今度は日本でJリーグでも観に行こうかと。やはりレッズかな。
↓スタンドからスタジアムを映す。動画も撮ったのでいつかアップに挑戦するつもり。
↓稲本です。もっと攻撃参加しろ!
↓小野です。すみません、気がつきませんでした。